日向で毎年夏に開かれている「ひむかの国こども落語全国大会」をモチーフにしたラジオドラマ「これは、私の落とし噺(ばなし)」が1月9日、NHK-FMで放送される。
延岡市出身で俳優・脚本家・演出家の本田誠人さんが脚本を手掛けた同作品。
物語は、こども落語大会の観覧をきっかけに「私も落語を始める」と言い出すシングルマザーのちひろ(山田キヌヲ)を前に、目立たないことをモットーに生きる高校生の一人娘・真夏(白石聖)は何とかやめさせたいと考えるが、両親が離婚して以来、母とは互いに気遣う仲になっており、言い出せず、母は落語家・柱大黒天(マギー)の下、猛特訓を重ねる。
落語の師匠役は、日向市在住でアマチュア落語家の柱大黒さんがモデル。大黒さんはこども落語全国大会の立ち上げから携わり、今も実行委員会のメンバーとして活躍し、地元の小学生、中学生に落語を教え、自らも高座(こうざ)に上がる。
本田さんは「ラジオドラマを制作するにあたり、大黒さんのことをずっと取材していたNHKのディレクターさんからお話をいただき、今回の脚本を書くことになった。お互いに存在は知っていたし、面識はなかったわけではないが、大黒さんが僕の脚本で…と推薦してくれたと聞き、感激した。ラジオドラマになじみのない人も多いと思うが、登場人物の声を頼りに自由に想像して日向の町に生きる、とある家族の物語を全国放送で流れる日向弁を通して楽しんで、聞いてほしい」と話す。
本田さんによると、ヒロイン役の白石さんは、大黒さんが驚くほど耳が良く、初めて落語に挑戦したとは思えないほどの出来栄えだったという。
放送時間は22時~22時50分。一話完結。放送後1週間、NHKラジオ「らじるらじる」などで聞き逃し配信も行う。