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日向で「牧水祭」 若山牧水の命日に開催、生誕140年の記念講演も

若山牧水生家横にある歌碑に献酒。東郷学園9年生の女子生徒が巫女(みこ)姿で

若山牧水生家横にある歌碑に献酒。東郷学園9年生の女子生徒が巫女(みこ)姿で

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 日向の牧水公園(日向市東郷町坪谷)などで9月17日、歌人・若山牧水をしのび「牧水祭」が行われた。

歌人・乃上あつこさんも牧水祭で献酒した

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 今年で75回目となる同祭。牧水が9月17日に亡くなったことから、毎年この日に牧水の生家近くで開催している。第1部は「歌碑祭」と題し、東郷町坪谷の生家横にある「夫婦歌碑」前で行われた。歌碑には牧水の「をとめ子の かなしき心 持つ妻を 四人子の母と おもふかなしさ」と、妻・喜志子の「うてばひびく いのちのしらべ しらべあひて 世にありがたき 二人なりしを」が刻まれている。地元・坪谷在住の岩下富男さんが牧水の2つの短歌を朗詠した。献酒では初めに、東郷学園9年生の女子生徒2人が巫女(みこ)となり、牧水が大好きだった酒を歌碑にかけた。

 2部は牧水公園のふるさとの家に移動し、本年度で閉校する牧水の母校、坪谷小学校の6年生2人が牧水の「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染そまずただよふ」などを朗詠。今年は牧水生誕140年の年に当たることから、朗読劇「若山牧水異聞『ひともしごろ』」を坪谷小の児童や教諭、劇団「FLAG(フラッグ)」(宮崎市)が上演。

 牧水研究の第一人者、歌人・伊藤一彦さんが「『牧水とふるさと』-美々津・坪谷・同級生-」と題して講演を行った。伊藤さんは牧水の祖母が日向市美々津の出身であったことに触れ、「牧水の海への憧れは祖母の影響だろう」と推察した。歌人で牧水の弟子だった大悟法(だいごぼう)利雄が書いた牧水の伝記にも触れ、優れたものだが、市井の人たちが書いた牧水の人となりに関する証言の重要性を指摘した。

 懇談会では牧水も好きだった田舎料理での昼食会を開き、参加者は煮しめやちらしずしなど郷土の料理に舌鼓を打った。

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