宮崎県内で6月1日、アユ漁が解禁され、国内有数の巨アユの漁場である延岡市の河川にも釣り人が集まった。
漁が解禁されたのは五ケ瀬川、大瀬川、日之影川など五ケ瀬川水系の本流と支流のほか、耳川水系など。北川水系は例年通り6月10日に解禁される。県北部を流れる五ケ瀬川の主要ポイントには、解禁を待ちわびた太公望が、夜明けとともに長竿を振る姿が見られた。
五ケ瀬川は国内屈指の巨アユの宝庫として知られ、全国各地から釣り人がやってくる。上、中流域では、アユが縄張りを作る習性を利用し、オトリの友アユを縄張り内に進入させ、攻撃してきた野アユを掛けバリで引っかけて釣る「友釣り」が盛ん。下流では船や川岸からのチャッポン掛け(コロガシ釣り)が主流となっている。
解禁初日は前日までの雨がやみ、好天に恵まれた。水系のアユ資源回復を目的に、昨年から延岡湾での海産稚アユ漁停止が続く影響からか、今年は天然遡上も多いという。
30センチ超の尺アユが出ることで知られる日之影町の「カンバの瀬」に陣取った宮崎市淀川の古賀和美さんは、五ケ瀬川に30年以上通うベテラン。前日から川原にテントを張り解禁に備え、夜明けとともに竿を出した。
昼までに20センチ超の良型を中心に20匹以上を釣り上げ、「海産稚アユ漁の停止もあって、昨年の倍ぐらい釣れている。型も良い。今後、雨でさらに水量が増えればさらに育つだろう。私にとって解禁は正月と同じ恒例行事。このきれいな五ケ瀬川がいつまでも残っていくことを願っている」と笑顔を見せた。