2013年10月から運行する豪華寝台列車「ななつ星in九州」が3月14日、日向市の美々津駅に停車し、市民がルート変更前の最後の見送りを行った。
同列車の3泊4日コースで停車駅となっていたJR日豊本線の同駅。早朝に到着するため、都農町から朝食用の新鮮な野菜などを調達したり、乗客が美々津の伝統的建造物保存地区を散策したりしていた。2017年7月発生の九州北部豪雨の影響で同線に不通区間が発生し、ようやく12月中旬から停車駅の役割を再開したばかりだった。
見送る人の中には「2歳の子どもが電車好きなのでほぼ毎週、美々津駅に来ていた」という家族連れの男性や宮崎市から来た男性も。毎週美々津町を案内していたボランティアガイド団体「平兵衛さんの会」のメンバーの姿もあった。
宮崎方面に向かう最後尾の車両の窓には「ありがとう」と書かれた大きな紙が貼られ、40代の男性は「最後と聞いたので、初めて見送りに来た。貼り紙を見て泣きそうになった。またいつか、美々津駅に停車し、美々津の古き良き町並みをななつ星の乗客に見てもらえれば」と話す。
新ルートでの本運転は3月29日から。今後の宮崎県北での停車は門川駅となり、宮崎駅を目指すオプショナルのバスツアーが催行される予定。