日向の碁石製造会社「ミツイシ」(日向市平岩、TEL 0120-524-115)は10月15日、創業100周年記念「ミニチュア囲碁セット」の販売を開始した。100セット限定。
日本で唯一の「はまぐり碁石」生産地である同市で、1917(大正6)年から「黒木碁石店」として碁石の製造販売を始めた同社。今年が創業100周年に当たることから、日向市産のハマグリで作った白い碁石、南九州産の「日向榧(ひゅうがかや)」で作った碁盤と碁笥(ごけ)などをセットにした囲碁セットを制作した。
現在、はまぐり碁石の原料は99%以上がメキシコ産。同社の社長、黒木宏二さんによると「日向市産のはまぐり碁石は4、5千万円の値が付いた時代があり、年々、その価値と稀少性は増している。100周年にふさわしい最高級品を作るべく、原料と技術に徹底的にこだわった。なるべく多くの方に知ってほしいと考え、サイズを小さくし、『日向尽くし』のセットを企画した」と話す。碁石も碁盤もすべて正規品の3分の1のサイズで製造したという。
碁石は同社の職人の手によって一つ一つ作り上げられたもの。碁石を入れる容器の碁笥は、宮崎県伝統工芸士に認定されている「西川ろくろ木工」の西川嵩さんが手掛けた。碁盤用布カバーには100周年記念の刺しゅうが縫い込まれ、碁笥袋は京都西陣織の金襴織物を使っている。シリアルナンバー入りの証明書も付く。
黒木さんは「今後このように豪華で、すべてが日本製の囲碁セットは作られることがないと思う」と話す。