元死刑囚・袴田巌さんを描いたドキュメンタリー映画の上映会が来年2月14日、カルチャープラザのべおか(延岡市本小路)で開催される。宮崎県内で上映されるのは初。主催はNPO法人「山参会」(TEL 090-8418-7118)。
映画「拳と祈りー袴田巌の生涯ー」の説明会には25人が集まった
映画のタイトルは「拳と祈りー袴田巌の生涯ー」。1966(昭和41)年6月、静岡で起きた一家4人を殺害した事件の犯人とされ、47年7カ月の間獄中生活を送った袴田さんを描く。監督はかつて静岡のテレビ局に勤め、20代後半から袴田さんを追い続けるジャーナリスト、映像ディレクターの笠井千晶さん。2004(平成16)年には自身が撮影した「宣告の果て~確定死刑囚 袴田巖の38年~」で日本民間放送連盟賞の最優秀賞を獲得した。当日は、笠井さんのほか、袴田さんの姉・秀子さんも来延し、2人の対談も行う。
今回の上映会を企画したのは、高千穂町出身で作家の高山文彦さん。高山さんは「東日本大震災をテーマにしたドキュメンタリー作品で、国際ジャーナリスト賞を獲得した笠井さんが袴田さんの映画を撮ったと聞いて、ずっと気になっていた。昨年8月、鑑賞会に参加し、これは多くの人に鑑賞してもらいたいと思い、故郷の高千穂ではなく、延岡で開催することにした」と話す。「映画の冒頭に登場する、2014(平成26)年3月、袴田さんが釈放された日に袴田さんと姉の秀子さんが乗り込んだ車での場面は、奇跡のようなシーン。袴田さんは生きるために壊れた精神状態にならざるをえなかった。この上映会で考え続けることの大切さ、考えることを諦めないということを皆で確認する機会にしたい」と話す。
上映会は12時30分~15時15分。(12時開場)。笠井監督、秀子さんの対談は15時30分~。参加無料。定員400人。申し込みはGoogleフォームで受け付ける。