
ノリ漁師でピアノ愛好家の徳永義昭さんのコンサートが5月31日、日向市文化交流センター(日向市中町、TEL 0982-54-6111)小ホールで開かれる。
徳永さんは45年間ノリ漁師として生計を立てているが、ある時、趣味のパチンコで大負け。偶然、世界的ピアニストのフジコ・ヘミングさんが弾くピアノの「ラ・カンパネラ」を聞いて心をつかまれ、独学でピアノの練習を始める。楽譜も読めず、ピアノも弾けなかったため、鍵盤の動きを動画で見て一つ一つ指に覚え込ませた。妻がピアノ講師をしており、同曲が非常に難しい曲であることを知っていたため、「絶対弾けるようにならない」と言われたが、最初の1年は1日8時間~10時間も練習し、7年かけてようやく弾けるようになった。2020年、テレビの企画で「フジコさんに自分の『ラ・カンパネラ』を聴いてもらう」という願いをかなえる。フジコさんの依頼で、フジコさんのコンサートの前座も務めた。
今回、日向市文化振興事業団の和田康之事務局長が徳永さんにオファーして、日向でのコンサートが実現する。徳永さんが昨夏、宮崎市内でミニコンサートを開く機会があり、その際、和田さんが直接、日向での演奏を依頼したところ、快諾してくれたという。
和田さんは「徳永さんは非常に気さくな方で、ノリ漁が忙しい時期でなければ大丈夫と言ってくれた。2024年4月にフジコさんが亡くなったので、彼女へのオマージュ的な公演になると思う。会場は定員200人の小ホールなので、徳永さんの思いがフジコさんに伝わったように、お客さまにも伝わり、皆で一緒に演奏を育むような機会になれば」と話す。「徳永さんは話も上手で、マジックも披露してくれる予定なので楽しんでいただけたら」とも。
14時30分開場、15時開演(16時30分終演予定)。全席自由で、チケット料金は2,000円。4月5日発売。日向市文化交流センターのほか、門川町総合文化会館、延岡総合文化センターや野口遵記念館で扱う。