日向市文化交流センター(中町)で8月23日、市内の小中学生が参加し「牧水かるた大会」が行われた。
日向市東郷町が歌人・若山牧水の生まれ故郷であることから開かれ、今年で46回目。牧水が生涯に作った9000首の短歌から、牧水研究家や宮崎県内の歌人、東郷町の有志などの手によって100首が選ばれ、1974(昭和49)年東郷町若山牧水顕彰会によって作られた「牧水かるた」取り合う。
当日は、小学校の部、中学校の部に分かれ、チーム対抗戦と個人戦で技を競った。市内の18校、137人の小中学生が参加し、コロナ禍のため声を上げることなく、静かに熱戦を繰り広げた。
チーム戦は小学校の部で282枚を獲得した日知屋小「なつかしき」チーム(以下同)が優勝。2位は寺迫小「海よかげれ」、3位は東郷学園初等部「なつくさ」となった。中学校の部は186枚を獲得した東郷学園中等部「雲ふたつ」が優勝。2位は美々津中「白玉」、3位は日向中「春白昼(はるまひる)」となった。個人戦の優勝は、小学生の部で97枚を獲得した細島小6年の石崎穂乃花さん、中学生の部は100枚を獲得した大王谷学園中等部8年の三浦柚希(ゆずき)さん、東郷学園中等部9年の黒田沙良さんに決まった。
小学生の部優勝の石崎さんは初出場。石崎さんは「100首覚えていたが、最初は札の場所がどこにあるかわからず、100枚とることができなかった。牧水の歌は昔の言葉だけど意味が深くてかっこいいと思う。好きな歌は『母恋し かかるゆふべの ふるさとの 桜咲くらむ 山の姿よ』。お母さんのことやふるさとのことを思う気持ちが詠まれ、優しいなと感じる」と話す。
中学生の部で優勝した坪谷小出身の黒田さんは「小学校1年の時から牧水先生の歌を覚えはじめた。季節感を大事にした短歌が多く、風景が思い浮かぶところが好き。坪谷小の子たちは牧水先生にかかわる行事が多いので、他の学校の子より牧水先生のことが好きだと思う」と笑顔を見せる。