「日向の中小企業を笑いで元気にする~金原亭馬治落語会」が11月15日、日向市文化交流センター(日向市中町1)で開催された。主催は2017年1月にオープンする産業支援センター「ひむか‐Biz」(日向市富高)。
落語の合間には、中村佳史・宮崎大学准教授(左)と馬治さんによる、ビジネスに生かせる落語の技を紹介するトークコーナーも
出演者の金原亭馬治さんは2015年に真打ちに昇進し、今年まで過去3年、「文化芸術による子供の育成事業-芸術家の派遣事業-」で宮崎県内の学生に落語を教えている。その縁で今回、同イベントへの出演が決まった。
イベント冒頭では、「第8回ひむかの国こども落語全国大会」で決勝まで勝ち上がった、こども落語家・ひむか亭いちごさんが前座として登場。新米泥棒と親分の掛け合いが滑稽な「鈴ヶ森」を披露した。
次に、馬治さんが高座に上がり「子ほめ」「片棒」「笠碁」と3席を披露し会場を盛り上げた。馬治さんは上演後、「日向がはまぐり碁の産地であることを会場で知り、予定を変更して『笠碁』を演じた。お客さんに喜んでいただけて良かった」と話した。
落語の合間には、「営業トークは落語で身につく」をテーマに、宮崎大学教育学部の中村佳文准教授と馬治さんのトークセッションも。
「落語はまずマクラでお客さんを引き込んで、本題に入るときに羽織を脱ぎ、場の空気を変える。プレゼンなら最初に雑談で心を開かせてから、背広を脱いで雰囲気を変えるのもテクニック」とビジネスシーンに応用できる落語の技術を馬治さんが紹介。さらに「落語は極力説明しすぎず、聞く側の想像力をかき立てるもの。表現を抑えたシンプルな水墨画のように、余計な修飾を省くことが大事」と営業トークへの具体的なアドバイスも。
集まった180人の来場者からは、「東京から日向に落語家が来ることはなかなかないので、とても楽しめた」(50代男性)、「江戸落語の魅力に引き込まれた」(40代女性)などの感想が聞かれた。主催者の「ひむか‐Biz」長友慎治センター長は「大勢の方に来場いただき本当に良かった。ひむか‐Bizにも、たくさんの方に相談に来てもらえれば」と話す。