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「映画俳優 志村喬」展、青春時代過ごした延岡で始まる 生誕120年で

5月3日のオープニングセレモニーで話をした延岡出身の脚本家・港岳彦さん

5月3日のオープニングセレモニーで話をした延岡出身の脚本家・港岳彦さん

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 延岡城・内藤記念博物館(延岡市天神小路)で5月3日、特別展「映画俳優 志村喬~延岡での足跡と俳優人生~」が始まった。

国立映画アーカイブ主任研究員の岡田秀則さん(写真左)によるギャラリートークも

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 「七人の侍」など黒澤明監督の作品21本に出演し、生涯400本以上の映画に出演した俳優・志村喬(たかし)。1905(明治38)年に兵庫県で生まれたが、父が槙峰鉱山(延岡市、日之影町)へ転勤した際に、志村も県立延岡中学校(現・延岡高校)に転校し、1919(大正8)年~1923(大正12)年の間の青春時代を過ごした。同展は2015(平成27)年に東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)で開催された志村喬展をベースに、延岡時代が分かる資料を加えたもの。自身が使った映画「七人の侍」「生きる」「羅生門」などの台本や家族ぐるみの付き合いがあった俳優・三船敏郎との写真、ポスターなどを展示する。

 3日はオープニングイベントとして、国立映画アーカイブ(東京都中央区)主任研究員の岡田秀則さんによるギャラリートークが行われた。岡田さんは、志村喬が延岡にいた時は、演劇、映画に目覚める前、文学に芽生えた時代だったこと、地元紙・夕刊デイリーの志村の自伝連載でいろいろなことがわかったことを話した。「(志村は)忘れがたい顔つき。29歳でデビューしたが、その時も16歳の娘を持つ父親の役。職業人として、形にこだわらない演技をする人だった」とも。

 同日のオープニングセレモニーに出席した延岡出身の脚本家・港岳彦さんは「高校時代の3年間を延岡シネマに通い、志村さんは日本映画の中にあって、世界でも顔を売っている俳優という印象だったが、延岡で暮らしていたことは今回初めて知った。当時志村さんが作った、愛宕山を題材にした詩を読んで、純粋な目で自然を見ていたことを知り、自分とすごく近いものを感じた」と話す。「俳優としていろいろな顔ができ、信頼できる分厚い人間性を持った人」とも評した。

 25日には同館でスペシャル鼎談(ていだん)も行われる。開催時間は14時~15時30分。「志村喬と日本映画の魅力」をテーマに、港さんと、同じく同市出身の映画評論家・兵頭頼明さんが登壇する。要事前申し込み。

 展示期間に合わせ、港さんのオリジナル脚本による演劇「光を託された男 志村喬」の上演や、延岡シネマ(北町1)で志村の出演作品『七人の侍』『生きる』『ゴジラ』の上映も行われる。

 開館時間は9時~17時。月曜(祝日は開館)、5月7日は休館。入館料は、一般=500円、高大生=300円、中学生以下無料。障害者手帳等提示で本人と介助者1人無料。6月15日まで。

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