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延岡の菓子店「虎彦」が2台目の移動販売車 「お得意さまが増え増便」

「虎の子便」を走らせる社長の上田さん

「虎の子便」を走らせる社長の上田さん

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 創業70年の菓子店で延岡名物の「破れ饅頭(まんじゅう)」を販売する「虎彦」(延岡市幸町、TEL 0982-32-5500)が10月23日から、移動販売「虎の子便」の2台目の運行を開始した。

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 コロナ禍により観光客の利用が減少したことを受け、5月1日に移動販売を始めた同店。「虎の子便」と名付けた車両に菓子を積んで、毎日移動販売を続けてきた。社長の上田耕市さん自らがハンドルを握り各地を回ってみると「店が遠くてなかなか行けなかった」「車がないから出掛けられない」という声が集まった。「もっと短いスパンで来てほしい」というリクエストも多かったことから、毎日2台を運行することを決意した。

 「各地を訪れるといろいろな出会いがあり毎日が楽しい。私を子守したことがあるという女性や、父の代に働いてくれていた元従業員の方に出会うなどたくさんの発見や驚きがあって新鮮だった。このコロナ禍でリアルな出会いの場が減ってしまった今だからこそ、出掛けていくと喜んでもらえることも実感した。ウイルス対策を万全にし、迷惑にならない程度の音量で童謡・唱歌を流しながらゆっくり運転しているので気軽に手を振って、止めてほしい」と上田社長。

 郷土の歌人にちなんだ和菓子「若山牧水」(2個入り・270円)や、延岡特産のアユをモチーフにした和菓子「鮎(あゆ)やな餅」(130円)など、地元ゆかりの人物や特産品をテーマにした菓子、季節の菓子などを常時40種類ほど積み込み、2台で県北の延岡市、日之影町、高千穂町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村、美郷町、門川町を回る。若山牧水の生まれ故郷の旧東郷町(日向市)も要望に応え新しくコースに加えた。

 移動販売を学びたいという菓子店の社長には、虎の子便で培ったノウハウを無償で提供すると上田さん。「このコロナ禍で移動販売の可能性に気付いた。地域に根差した業績のある菓子店で、移動販売に挑戦したいという店主がいたら、助手席に乗ってもらい余すことなくお伝えする。ただし、社長(店主)自らが来ることが条件。ウィズコロナの時代の菓子店の新たなビジネスモデルを確立していく仲間を増やしていければ。興味のある菓子店の店主がいたら、店まで連絡してほしい」とも。

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